病医院経営の今をお伝えするコラム
地域事情に合わせた 『地域医療連携推進法人』 を考える ~新たな地域医療構想策定に向けて~
2026年診療報酬改定後の各医療機関の施設基準が公表されましたので、急性期拠点候補病院と精神病床100%病院の届出受理状況の一部に注目したいと思います。
先ず、東京都における、旧「急性期充実体制加算1」届出の22病院の新設「急性期総合体制加算1~5」に関する施設基準を纏めてみました。(上図の左表を参照) 医療法に基づく精神病床を持つ4病院(A・B・C・D病院)では上位加算が受理され、それ以外の病院の殆どが加算3に位置しています。
本加算は、今後の急性期拠点病院の収益の柱として期待されると同時に、急性期医療実績の集積性と精神医療を含めた総合的な医療提供体制が求められていることを意味するものと理解します。
加えて、精神病床100%の49病院の “身体合併症管理” 及び “退院調整” に係わるところの 「精神科身体合併症管理加算」、「精神科慢性身体合併症管理加算」、「精神科入退院支援加算」、「精神科地域移行実施加算」、「精神科退院時共同指導料」の5つの施設基準を纏めてみました。(上図の右表を参照) 5項目全てが受理された3病院(a・b・c病院)から0項目の10病院(an~aw病院)まで、49病院の間の届出格差は著しいばかりでなく、夫々の届出病院数(31/49、22/49、10/49、22/49、14/49)は、決して多いものではありません。
精神疾患においても高齢患者が急増することから、身体合併症の管理は益々重要になってくるでしょう。また、地域包括ケアシステムの中で、精神医療は重要な役割が期待されることから、地域医療・介護との連携体制の構築が更に求められることになるでしょう。
そこで、地域事情に合わせた 『地域医療連携推進法人』 の設立を考えてみたいと思います。(下図を参照) 急性期拠点病院と精神単科病院による 『地域医療連携推進法人』 の一例で、精神病床の再編や内科医師、連携室職員等の配置を柔軟化し、互いの弱みを補完し合う、“軽い地域医療連携推進法人”の設立をイメージしたものです。地域医療構想を策定する際に、有効な手段の一つに成り得るものと考えています。
今回は東京都における地域事情を通して話を進めてきましたが、他の地方都市においても同様の分析を行うことで、その地域特有の課題が可視化・共有できるかも知れません。

