病医院経営の今をお伝えするコラム
病床機能報告をミクロ分析する ③ (病棟別疾患別リハビリテーション等の実施状況)
急性期におけるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理を一体的に推進する観点から、2026年診療報酬改定では、リハビリ・栄養管理・口腔連携体制加算1の更なる評価と施設基準を緩和した加算2が新設されました。(上図を参照) 急性期医療において、ADLを低下させないだけでなく、改善までもが求められていると考えています。
そこで、高度急性期機能を持つA病院の病棟別疾患別リハビリテーション等の実施状況を纏めてみました。(下図を参照) Excel票は病棟票の様式1と様式2を繋げて加工したもので、リハビリテーション実施状況等の診療実績は、月別の数値で示しています。
「赤色セル・白色文字」の列は、私が計算式を入れて挿入したもので、その意味合いを以下に紹介します。
・疾患別リハ料算定率 = 疾患別リハ料算定患者数(1ヶ月) ÷ 在棟患者数(1ヶ月)
上記の算定率は、入院患者のうちリハビリテーションを実施した患者の割合を表します。
そして下図を見ながら、思うところを書き出してみました。
1. A病院全体の疾患別リハ料算定率は27%で、高度急性期としては比較的高い値を示しています
2. 特に、神経内科・脳外科が使用する病棟で高い算定率となっています
3. 一方、整形外科が使用する南7病棟(入院料:急性期1)の算定率は38%と、さほど高くありません
4. 疾患別では、心大血管リハビリ、脳血管等リハビリ、呼吸器リハビリ等が積極的に算定されているようです
5. 一方、運動器リハビリの算定患者数はさほど多くありません
6. 廃用症候群リハビリの算定患者数が少ないようです(消化器内科が主に使用する本5病棟においても呼吸器リハビリが行われています?)
7. 患者別リハビリを見ると、高度急性期を担う医療機関にしては、がん患者リハビリの算定患者数が少ないように思います。(血液内科に留まらず、乳腺・泌尿器・消化器等のがん患者においても、積極的なリハビリテーションが求められていると思います)
8. 対象が重症患者に絞られる急性期リハビリ加算を積極的に算定しています
9. 早期リハビリ加算、初期加算の算定患者数が多いことから、早期から疾患別リハビリが行われていることが窺えます
10. 救急病棟(入院料:救命救急1)、特定集中治療室病棟(入院料:特定集中治療1)の高度急性期病棟では、多職種で早期リハビリを行い、早期離床・リハビリ加算を算定しています
今回はA病院のみの分析を行いましたが、競合する医療機関やベンチマーク病院と比較することで、地域から求められる医療提供体制が見えてくるのではないでしょうか?

