病医院経営の今をお伝えするコラム
令和8年の診療報酬改定予測 【prologue】

はじめに…
パソコン内の過去のデータを整理していたら、なんと、当協会の二次試験の論文提出文書2016111というファイルを見つけました。
恐らく、2016年頃に作成したものだと思う。
・主題 1 わが国の医療制度の課題と展望(医療提供制度、医療保険制度等)
・副題 将来の超少子高齢化社会に対し日本の医療保健制度を守る為の医療の適正化と効率化について
早速、中身を確認すると、既に実現化されているものや、かかりつけ医制度など、現在でも、議題に挙がっている医療政策も存在している。
リフィル処方箋も、2010年に検討項目に挙げられ、令和4年度(2022年度)でやっと保険点数にはならなかったが承認された。
来年度の改定では、間違いなく点数化されると考えている。
そして、生活習慣病管理料等にも関連しそうな気配を感じる。
医療政策は、一度でも議案で提出されれば、見送りになっても、再度議案になり実行される事がある。
なるほど、かつての恩師の言葉通りであった。
さて、今年も令和8年の診療報酬改定予測の時期が来た。
その前に、衆議院選挙が7月に控えている。
最近報道を見ない、後期高齢者の窓口負担割合が「2割」となる患者への負担軽減(配慮措置)については、2025年9月30日で終わる。
そして、例えば、高額療養費制度 負担上限額案は、先送りとなったが今後どうなるか。
その動向次第で、大いなる変化があると予想はしている。
さらに、前回のコラム「補正予算案増収計画」の財源は、どこから捻出するのか。
何れも、『直ぐに・何か月後』とかの明記はされてない。
となれば、来年になるのだろうか。
全世代社会保障制度は、応能負担では賄えず、各保険料の値上げ、年収の壁、患者の負担金の増加等、これらによって受診抑制まで招いている。
医療機関も物価の上昇、超少子高齢化社会の到来等、経営を取り巻く環境はさらに厳しくなると予想される。
今後顕著になると考えられる、「患者の減少」「人手不足」「物価高騰・人件費増」だ。
述べるまでもなく、保険医療機関等の収益の大部分を占める診療報酬は公定価格であり、一般企業のように「物価や人件費が高騰し経営が厳しくなっているので、診療報酬を引き上げましょう」と個々の医療機関等が行動することはできない。
1%の報酬改定で5000億円の医療費抑制となるという。
政府は、ついに医療機関の選別を図っているようにも思えるのは、私だけだろうか。
以 上
【次回予告】令和8年診療報酬改定予測「個別事項」についてにします。
