病医院経営の今をお伝えするコラム
令和8年度 新:診療報酬改定予測 2025年 12月 Ver.01
はじめに…
ついに、本体改定率の内訳見込みが発表された。
◎本体改定率:+3.09%(3%超えは、1996年以来30年ぶり)
(内訳)
• 賃上げ対応:+1.70%
• 物価対応:+1.29%(物価0.76%、食費・光熱水費0.09%、その他0.44%)
• 政策改定(通常改定):+0.25%(医療の高度化、医療機能の強化:医療の高度化への対応、医療機関機能に着目し、地域で高度・救急医療を支える医療機関への重点配分等)
• 適正化・効率化:▲0.15%(外来・在宅の適正化:訪問看護、在宅医療の適正化、一般名処方加算の見直し、医療機関・薬局等が連携した残薬対策の推進、長期処方・リフィル処方の取組強化。調剤報酬の適正化:調剤基本料の見直し、後発医薬品調剤体制加算の見直し)
※参考資料:下図の令和8年度診療報酬改定の基本方針の概要
◎薬価・材料費:▲0.87%
※改定率は12月26日(金)に閣議決定予定としている。
そして、来年1月下旬で短冊、2月中旬に中医協答申、3月中旬に官報告示の予定であり6月に改定が施行される。
介護報酬では、賃上げを中心に+2.03%期中改定があった事などからも、診療報酬も経過措置を設け、前回2024年10月から施行された長期収載品選定療養などの様に、2026年10月にも改定の2段階改定の可能性も考えられる。
その内容は、国民の同意を得るものなど、例えばOTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しなどが予想される。
そして、その理由のひとつとして、この時期から、かなりロジックを変えてしまうと収集がつかないほど情報が書き換えられているからである。
さて、本体改定率:+3.09%とはしているが、診療報酬のメリハリから財政審建議として、2026年度診療報酬改定「高度急性期・急性期病院を重点化」として診療所、調剤報酬は適正化を行うとしている。
特に、見ての通り、数字のマジック、診療所ではもろ手を挙げてとはならない改定である。
まず、賃上げ対応:+1.70%は、ベースアップ評価料を中心に配分されそうである。
ベースアップ評価料の届出は、内部留保出来ない事や申請手続きの複雑化、収入の格差、はしご外しなどで、診療所が約40%、病院では、約90%である。
しかし、令和6年度医療施設等経営強化緊急支援事業、生産性向上・職場環境整備等支援事業の中で、ベースアップ評価料の届出要件があったように、届出への促進にあたり、例えば、かかりつけ医制度などの何かの要件を付け加えそうである可能性もあるのだろうか。
何れにしても、未届出の医療機関は、十分情報を精査し検討されたい。
また、適正化・効率化:▲0.15%では、(外来の適正化:、一般名処方加算の見直し、医療機関・薬局等が連携した残薬対策の推進、長期処方・リフィル処方の取組強化)
気になるワードを抽出してみたが、かかりつけ医機能、医療DX関連に点数のメリハリがありそう。
さらに、中央社会保険医療協議会 総会の資料などを見ると、
①.特定疾患療養管理料については、 主傷病名の分析に加え、副傷病名や処方の状況も含めたさら 適切な運用が行われていない場合には、制度の是正を図るべきとしている。
それは、特定疾患療養管理料の算定患者が「生活習慣病を副傷病として抱える」ことは何ら不思議ではないからだ。
また、特定疾患処方管理加算を廃止し、特定疾患療養管理料の算定回数を月1回にして、院外処方箋料の減算と一般名処方加算を廃止し、長期処方をリフィル処方箋で点数化すれば、全ての紐付けが完成し、さらに、ポリファーマシー対策や残薬の発生の抑制にも繋がる。
しかも、生活習慣病管理料にも適用したらどうか。
②.電子カルテ・電子カルテ情報共有サービスについては、明細書発行体制加算も単なる「明細書発行の手数料」となっており、形骸化しているのではしご外しを行う。
また、電子処方箋・オンライン資格確認の強化やマイナ保険証などのインフラの整備だが、医療DXの導入・維持・管理に関するコストが病院経営を強く圧迫している。
本格的に医療DXを推進するためには、今以上に診療報酬での評価などを引き上げる必要がある
例えば、電子カルテの導入、電子カルテ情報共有サービスへの参加なども、例えば、電子カルテ加算(仮称)など診療報酬上の評価が必要であるのではないか。
③.かかりつけ医機能の報酬上の評価の再構築については、「26年度診療報酬改定では、患者本位のかかりつけ医機能の実現のために必要な制度の姿を見据えながら、報酬体系を再構築すべき」と主張した。
最大注目している、機能強化加算、外来管理加算、特定疾患管理料、生活習慣病管理料などを例に挙げ、「ゼロベースで見直しや統合を図るべき」などとした。
そして、「まずは、かかりつけ医機能報告制度上、基本的な機能を有していない診療所への初診料・再診料の減算措置を導入すべき」として、1号機能を有さない医療機関についての厳しい対応を求めた。(下記に記載)
最後に、『かかりつけ医機能報告制度』の報告の件ですが、以下の情報と詳細を共有させて頂きます。
以 上
【情報・詳細】
医療機関の皆様へ、かかりつけ医機能報告制度が始まります令和8年1~3月までに、都道府県に対してかかりつけ医機能報告を行うようお願いします。
厚生労働省 かかりつけ医機能報告制度 2025年12月24日
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000123022_00007.html
「追記」
・私的に気になったところ(かかりつけ医機能報告制度の一文より抜粋)
かかりつけ医機能(2号機能)の確保に係る体制を有することについて都道府県知事の確認を受けた医療機関は、慢性疾患を有する高齢者等に在宅医療を提供する場合、その他外来医療を提供するに当たっておおむね4ヶ月以上継続して医療を提供することが見込まれる場合であって、患者又は家族から求めがあったときは、正当な理由がある場合を除き、疾患名、治療計画等について適切な説明(療養計画書など)が行われるよう努めなければならないこととされている。
→個人的意見として、外来管理加算などのインセンティブがつきそうな感じ?
【次回予告】
やはり、特に診療所は、診療報酬改定があっても厳しい状況は簡単には打開できない。
『今だから出来る、今から備える、診療報酬増収経営戦略案(仮)』と致します。

