病医院経営の今をお伝えするコラム
2026年度(令和8年度)診療報酬改定の答申について
はじめに…
2026年度(令和8年度)診療報酬改定の答申が2026年2月13日中医協から開示された。
答申資料を使用し、その骨子を基に、具体化・深掘りしてまとめました。
1. 医療DX:点数体系の完全統合
バラバラだった加算が整理され、「使っているか」から「活用して連携しているか」へ評価軸が移ります。
✅ 電子的診療情報連携体制整備加算(新設)
医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算を統合。
マイナ保険証利用率のさらなる引き上げ、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスの3点セット導入が「算定の必須条件」となる見込み。
単なる機器導入ではなく、実際に情報をやり取りする「実績」が厳格に問われます。
2. 賃上げ・物価高:段階的かつ全職種への支援
前回改定の課題(事務職や若手医師への波及不足)を解消する動きです。
✅ ベースアップ評価料の劇的変化
対象を全職種へ拡大し、2027年(令和9年)6月には点数を約2倍に引き上げる段階的スキーム。
初診・再診料への点数投入を最小限に留め、この評価料を「賃上げ原資」のメインエンジンに据える方針。
✅ 物価対応料(2年間限定)
光熱費や消耗品費の急騰を補填する、これまでにない「時限的な物件費手当」です。
3. 事務負担軽減:サインレスと様式統合
現場の「書類仕事」を減らし、対人業務に集中させる施策です。
✅ 療養計画書の署名廃止
生活習慣病管理料における患者署名が不要に。これは外来運用において最大の効率化となります。
✅ リハビリ・管理料の緩和
複雑な「総合計画評価料」の様式を簡素化。減算規定の廃止により、算定のハードルを下げます。
4. かかりつけ医機能:長期処方と掲示の徹底
✅ 掲示義務の強化
「28日以上の長期処方・リフィル可能」であることを院内に掲示しなければ、特定疾患療養管理料等が算定不可となる厳しい縛り。
✅ 時間外対応の可視化
時間外対応加算をより明確な区分に再編し、体制を入れてより、説明しやすくするなどの為に、名称変更。
5. 薬剤・経営の適正化:クリニック淘汰の要因
✅ 一般名処方加算の減額
すでに普及したとして加算を引き下げる一方、バイオ後発品の活用を新たな評価対象へ。
✅ 長期収載品(先発品)の自己負担増
選定療養の仕組みをさらに強化。
✅ OTC類似薬の保険除外リスク
湿布やビタミン剤などの「市販品に近い薬」の保険適用外(選定療養化)は、2027年度の期中改定がターゲットか。
【2026年度(令和8年度)診療報酬改定の総括】
今回の改定は、本体プラス改定(+0.88%)の裏で、薬価・材料費を徹底的に削り、その捻出された財源を「賃上げ」と「DX」へ集中的に投下する「極めて選別色の強い」内容です。
1. 財源配分の内訳:薬価の大幅引き下げ
医療機関の経営を圧迫する要因として、以下のマイナス改定が断行されます。
薬価:▲0.86%(国費 ▲1,052億円程度)
材料価格:▲0.01%(国費 ▲11億円程度)
合計:▲0.87%(国費 ▲1,063億円程度)
このマイナス分が、以下の本体プラス分へと振り分けられます。
医科:+0.28% / 歯科:+0.31% / 調剤:+0.08%
2. ベースアップ評価料Ⅰの深掘り(生き残りへの最重要項目)
前回の課題を修正し、クリニックの「全職種」での賃上げを強力に後押しする仕組みへ進化します。
・対象範囲の抜本的拡大
前回は「40歳未満の勤務医」や「事務職」への波及が限定的でしたが、今回は全職種を対象とした設計に。特に、事務職員等の賃上げ原資を確保するため、再診料等の基本診療料ではなく、この「評価料」に点数を集中させています。
・段階的引き上げと「倍増」の衝撃
令和9年6月の施行分では、点数を約2倍に引き上げるという異例の段階的評価を導入。これは、「令和6年度に算定を開始し、実績を積んでいる医療機関」を優遇し、賃上げ(+3.2%目標)を確実に達成させるための強力なメッセージです。
・事務負担と「逆転現象」への対応
初再診料の引き上げをあえて抑え、ベースアップ評価料に配分を寄せることで、「賃上げを実行する医療機関には手厚く、そうでない所からは実質的に財源を剥がす」という、淘汰を促す構造になっています。
3.結論:クリニック氷河期のサバイバル
薬価・材料のマイナス(▲0.87%)は、処方せん料や調剤報酬の減算と相まって、従来の「薬に頼る経営」に終止符を打ちます。
「ベースアップ評価料Ⅰ」を確実に算定し、スタッフの定着を図れるか。
DX統合加算(電子的診療情報連携体制整備加算)を漏らさず取得できるか。
これらが、患者数減少と物価・人件費高騰の中でクリニックが淘汰を免れるための「最低条件」となります。
さらに、手上げ方式による施設基準の拡充は、『経営の安定』『医療の質の向上』『地域からの信頼獲得』を三位一体で実現する構造的解決策です。
信頼性の向上を加速させると同時に、組織変革のスピードを構造から担保することで、持続可能な医療経営への最短距離を確約(担保)します。
最後に、2026年2月16日時点です、とり急ぎ作成致しましたので、解釈の相違などが御座いましたら、ご容赦頂けると幸いです、また日々の書き換えや上書きも御座います、予めご了承下さいませ。
【次回予告】以上をロジックで全体を構造化し、生き残りをかけて勝利への活路を可視化するにします。
